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【院長ブログ】遺伝性大腸がんについて

2026.01.13

遺伝性の大腸がん

遺伝性の大腸がん

「うちは大腸がん家系なので、自分も大腸がんじゃないかと心配です」。このような動機で受診される方がときどきおられます。実際のところ、大腸癌の累積罹患リスク(一生の間に大腸がんと診断される確率)は男性で10人にひとり、女性で12人にひとり程度と言われていますので、家族内に何人か大腸がんの方がおられてもそれほど珍しいことではありません。家族に大腸がんの方がおられたら自分もそういう体質を受け継いでいるのではないかと不安に思われる気持ちはよく分りますが、遺伝がらみの大腸がんは意外と少ないです。

大腸がんの約70%は遺伝とは無関係な、散発性大腸癌です。多くは中高年で発症します。もともと正常だった大腸の細胞が食事・嗜好品などによる遺伝子傷害が蓄積されてがん細胞に変化したものが散発性大腸癌です。出生から大腸がんが発生するまでに長い年月がかかります。大腸がんの病巣部分を除けば、生殖細胞(精子や卵子)を含む体全体の細胞は健常なので子供に影響は及びません。同じ生活習慣を共有することが家族内での大腸がんの発症率を高めることはあるかもしれませんが、親子とも大腸がんだからといって、がんが遺伝したとは限りません。

遺伝性大腸がんの特徴と診断ポイント

ところが大腸がんの一部には遺伝によって発症するものがあります。出生時にすでに(大腸だけでなく)全身の細胞の遺伝子にキズがついた、がんの数歩手前の状態です。そこに生活環境による遺伝子傷害が加わって大腸がんが発症します。若年で発症する傾向があり、他の臓器のがんを合併することがあります。生殖細胞を含めた全身の細胞がすべて遺伝子にキズのある異常な細胞なので、その情報は子供に受け継がれます。遺伝子のどの部分にキズがあるかによって子供への遺伝のされ方は異なり、大腸がんを発症する確率も異なります。大腸がんの遺伝子(正確には大腸がんを防いでくれる遺伝子にキズのある状態)を生まれながらにして持っている方には将来確実に大腸がんを発症する方も、幸い大腸がんを発症せずに一生を終える方もおられます。

ご家族に大腸がんの方が多いという方によくお尋ねするのは、
①家族の中でどの方が大腸がんだったのか
②何歳で大腸がんを発症したのか
③大腸以外の臓器にがんはなかったのか
④大腸や他の消化管(食道・胃・十二指腸・小腸)にポリープがあったのかどうか
です。
遺伝性大腸がんは50歳未満で大腸がんを発症することが多く、しばしば他の臓器のがんや消化管ポリープを合併します。

遺伝子検査とそのメリット・デメリット

遺伝性大腸がんが疑わしい方は血液を用いた遺伝子検査(正確には遺伝学的検査)で血液細胞に遺伝子異常があるのかどうかを調べることができますが、遺伝性大腸がんでも遺伝学的検査ではっきりした結果が出ないこともあるようです。

もし自分に大腸がん関連の遺伝子異常があることが分かったら・・・?これにはメリットもデメリットもありそうです。定期的に検査を受けることで大腸がんを早期発見できるのはメリットと思われます。でも結婚や出産、自分の子供に伝えるべきかどうか・・・などの悩みが生じるのはデメリットなのかもしれません。当院では遺伝学的検査を希望される方にはしっかりとしたカウンセラーがおられる施設(大学病院など)に相談することをお勧めしています。

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